QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは
個人の生活の質。ある人がどれだけ人間らしく、望み通りの生活を送ることが出来ているかを計るための尺度として働く概念のこと。
痛みというのは体のほうから信号を送っています。体は自然治癒力により、自分で治そうとする力を持っているので痛みという信号を送るわけなのです。
しかし自然治癒力だけに任せず、体が消耗し過ぎた場合には薬に頼るのは当然必要なことだと思います。ウイルスなどに関しては絶対的に薬は効きます。西洋医学と東洋医学をお互い併用することが上手な体のケアの方法だと考えます。
私自身、20年前に中国で学んだ実体験から西洋と東洋の使い分けが大切だと実感しました。
西洋医学にも東洋医学にも、当然治るものと治らないものがありますが、まずは患者さんに対し「このような痛みの症状にはこういうことに気をつけて」という生活指導をアドバイスすることが大切なことだと思っています。
しかし、自分で治していく(自然治癒)きっかけをあたえても、本人が生活の中で気をつけていかなければ治るものも治らないのです。一時的に痛みが治まっても生活習慣が変わらなければ元に戻ってしまいます。
膝が悪い人の例を挙げてみますと、膝に負担をかけないように無意識のうちに足を棒のようにして曲げないようになっていくのです。しかし何の手立ても行わずに5年、10年後を過ごすと今よりも曲がらない状態になってしまうことが考えられます。家の中のちょっとした段差や敷居を、頭の中では5センチ跨いだように感じていても、膝の周りの筋肉が固い状態で動かないと、頭では理解していても体が反応するまでに時間を要する事になります。その結果5センチ上げたつもりが実際は1センチ位しか上がらず躓いて怪我をしてしまったり、最悪の場合はそのまま寝たきりになってしまうケースも考えられるのです。
だからこそ、そうならないように動かせる部分は動かして5年、10年後のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の質を高めてあげられるような治療は最も大切だと考えます。一般的に地方と言われている地域では本当に重要な問題だと思います。
目的意識を持つという事は非常に大切なことです。私が住むニセコ町を例えると「農家の仕事がしたい」「裏庭の畑で野菜を作りたい」など、いつまでも元気で動いていられることが地方と言われるこの町では大切なことなのです。
他にも「膝が痛いから旅行には行けない」など、仕方なく断念せざるをえないことが増えてくると誰しも消極的になりがちで、自分の世界を狭くしてしまいます。
実際、すごくつまらない事ですよね。だからこそ、旅行の前に治療をしながらコンディションを上げていくことも必要なのです。楽しい事は諦めさえしなければできるのです。
楽しいという気持ちは元気に繋がり、そして頑張れるという気持ちになれるのです。決して「年だから仕方ないね〜」などと言う医師の言う事は鵜呑みにしないで下さい。
当然、年を重ねるとともに骨の変形や筋力の低下は否めません。だからこそ、その人に合わせてできる事を考えなくてはいけません。その人に合わせた治療を行うことにより、更にもう一段階上の事ができる場合もあるのです。そして何よりもできるようになったと実感することが治っていく原動力になるのです。
鍼や灸などの東洋医学の考えは体の中に気というものが存在し、それがエネルギーの元になっていると考え方です。科学的に言えば体の中に365あると言われているツボに電気が流れていて「大腸の流れ」胃の流れを刺激する事により滞っていた電気が流れ出し、体全体の機能を高めていくという解釈なのです。
要するに新陳代謝を高めるという事です。鍼治療は体に刺激を与える(傷をつける)事により自然治癒のお手伝いをすることだと思っていただくと解りやすいかと思います。灸の場合は体に火傷を負わせて変性タンパクという「タンパクが固まったような状態」を修復するために白血球が集まり、免疫力・抵抗力が高まるという発想なのです。
鍼による刺激なのか、灸による温熱による違いなのかというわけです。本来、私たちの体にはホルモンなどを出す機能が備わっているわけですから、それを正常に引き出すためのものが東洋医学だと思って下さい。
薬を極力使わずに、体本来が持っている機能を高めるのが目的なのです。「ウイルス」などには薬は効果的だと考えますが、何でもかんでも薬に頼ってしまうのではなく、体は自分で治す力を持っているということをあらためて知って欲しいのです。
夢や目的を持っている方は必ず頑張れますから。